急成長の裏側にあるROIモデルとは
チョコザップって本当にすごい数字なんですよね。3年弱で1800店舗、会員数120万人超えのモンスターブランドです。でも私たちFP&A担当者が気になるのは、やっぱり「で、結局これって採算取れるの?」という点ですよね。現在、開店後6カ月でほとんどの店舗が単月黒字化を達成し、累積投資の回収期間は14ヶ月とされているという驚異的なスピードは、従来のフィットネス業界の常識を完全に覆しています。
実際、24年度は13%だったチョコザップの営業利益率は20%超を見込む状況で、チョコザップの売上高は24年度に近い350億円規模になると想定されるだけに、この高収益モデルの秘密を分析する価値は十分にあります。
無人化が生み出すコスト削減効果
従来のジムと比較してみると、チョコザップのコスト構造の違いがよく分かります。エニタイムの損益分岐点は500名程度。これはプール設備を持つ総合型スポーツクラブの5000〜1万名と比較しても、その低さが分かる状況ですが、チョコザップはさらにその上を行っています。
chocoZAPでは基本的に無人運営のため通常より人件費を低く抑えられることから、十分利益の確保が可能になっているのが最大のポイントです。エニタイムフィットネスでも1店舗につき3名程度に抑え、24時間営業のうち、午前10時から午後7時以外の時間は、店舗スタッフをゼロにする無人化営業を実施していますが、チョコザップは完全無人を基本としているため、人件費削減効果はさらに大きくなります。
また、広告費を除いた変動費は1年前より約3割削減。店舗運営の効率化で人件費などの固定費も約4割減らせたことで、収益構造が劇的に改善しています。
驚異の投資効率を支える数字
具体的な収益モデルを見ると、その投資効率の高さが際立ちます。新規店舗の場合、初年度売上は稼働会員数814人で約1907万円、償却前営業利益は約533万円という実績があります。初期投資は新規店舗の場合は2000万円からなので、単純計算でROI(投資利益率)は約27%となります。
さらに注目すべきは、chocoZAPの会員費は月額2,980円(税込3,278円)と一般的なフィットネスジムの半額以下だ。それにもかかわらず、2024年3月期において営業利益率は31%を記録している点です。エニタイムフィットネスの営業利益率が22.1%、カーブスが15.4%であることを考えると、低価格でありながら高収益という「逆張り」的な収益構造を実現しています。
仮に月額3,278円で会員数814人の店舗を想定すると、年間売上は約3,200万円。経費率を70%と見積もっても営業利益は約960万円となり、初期投資2,000万円に対するROIは48%という計算になります。これは一般的な小売業のROI 20%程度と比較して、驚異的な数字です。
実務で使えるポイント
• 損益分岐点の劇的低下: 無人化により固定費を極限まで削減し、従来ジムの10分の1以下の会員数で黒字化を実現。地方展開でも十分な採算性を確保している
• 14カ月投資回収の再現性: 開店後6カ月で単月黒字、累積投資回収14カ月という短期回収モデルは、資金効率を重視する成長戦略に応用可能
• サブスクリプション収益の安定性: 月額課金モデルによるキャッシュフロー予測の確実性と、継続率向上によるLTV(顧客生涯価値)最大化のアプローチが参考になる

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